射水市にある整体屋さん。一条整体クリニックApa Kabar
腰椎分離症
若年層のスポーツ障害でかなり上位に来る腰椎分離症。私自身も野球をしていて腰椎分離症とすべり症を患い社会人まで苦労させられました。痛みだけでなく腰痛の影響で投球フォームやバッティングフォームも崩し良い結果が出なかった苦い経験がよみがえります。
これから様々なスポーツで活躍される若者たちには同じ経験はして欲しくないので是非参考にして頂ければと思います。
成長期に多い
背中を反らす動作や体をひねる動作を繰り返すことで、腰椎の後方(関節突起幹部)に亀裂が生じ、 疲労骨折が生じている状態です。
成長期では骨の構造が弱いため、 スポーツを行っている小学生~高校生に発症することが多く、特定方向への動作を繰り返すスポーツ(野球・ゴルフ・サッカー・バレーなど)で、 発症しやすいとされています。
分離症の症状
腰椎分離症の症状は背中を反らす動作で腰痛を訴える事が多く、腰痛が 2週間以上続く場合は腰椎分離症を疑う必要があります。また、狭い範囲にズキッと響く痛みが特徴的で分離高位の腰椎に叩打痛、圧痛を認める場合があります。安静にすると1ヶ月ほどで症状は落ち着いてきますが、癒合していない場合、将来的に腰椎椎間板ヘルニアや腰椎すべり症になる可能が高くなります。
整形外科での治療の流れ
腰椎分離症と診断された場合、硬いコルセットと柔らかいコルセットの2通りのコルセットを患者さんはそれぞれの病態に合わせて提案されます。
年齢や分離症の程度、成長期の時期などを考慮しどちらの装具で治療していくかを判断されると思います。
運動を休止してから約1ヶ月は骨が再生しようとする時期で患部はまだ脆弱(ぜいじゃく)な状態なため、初期には安静と固定が必要で、全ての運動を中止とします。
腰椎分離症の治療は、CTによる診断結果によって骨癒合に要する時間が異なり、場合によっては癒合が得られない場合もあります。
腰椎分離症の方の多くは、下肢柔軟性の低下や体幹筋力の低下、動作姿勢不良などを招き、腰部へのストレスを強めてしまいます。なので、股関節を中心とした下半身のストレッチを行い、脊椎(腰椎)を支える筋肉 ”体幹筋 ” を強化するリハビリを疼痛や治療時期に合わせて実施していきます。疼痛が軽減してからは、運動中に姿勢が崩れないよう下半身と上半身を協調(別々に又は同時に)させるようなトレーニングも行います。
ここまでが整形外科で見られる多くの治療の流れになります。
問題点を根本から考える
上記のように病院ではまず腰椎の回復を第一優先に考えます。それはとても重要です。しかし、それでは再発を繰り返すことがとても多いようです。
スポーツの世界で腰を痛める方が多いとはいいますが、必ずしも全員がなるわけではありません。むしろ全体数の半分の人もなっていないように思います。
それにはどのような違いがあるのか?腰痛にならないためには何が必要か?再発を繰り返さないためにはもっと根が深い部分に原因があるためでそれを解決することが必要です。
- 骨格構造の問題
- 体幹の弱さ
- 身体が硬い
- フォーム改善
骨格構造の問題
ヒトは脳を中心に2本の足で直立して生活しているためどうしても腰や首に負担が掛かりやすい構造になっています。
自分では普通と思っていることが客観的に見ると曲がっていたりすることがよくあります。その状態でスイングなどの同一方向の回転運動を反復練習していると腰椎に無理が掛かり腰椎分離症などになります。よって骨格のバランスは思ったいる以上に重要になります。症状の有無にかかわらず肩の高さや骨盤の高さが左右で違う人は骨格調整を受けることをお勧めします。
体幹の弱さ
胸や背中の部分は胸椎や肋骨などで形成され、臀部に関しては仙骨を中心にしっかりした構造になっているのに対し腰の部分は骨だけ見ると非常に弱いです。
そこで大切になるのが最近耳にする「体幹トレーニング」です。体幹トレーニングにも正しいやり方があり、間違ったやり方をすると身体が硬くなりいざ競技になると動きが悪くなることがあるので注意です。
体幹とは、大きくいうと「胴体」。背骨を中心として、
- 胸
- 背中
- 腰
- お尻
までの広い範囲を体幹といいます。
しかし「体幹トレーニング」という言葉を使う場合は、もう少し狭い意味の体幹を表しています。
身体の内側を鍛える
内臓を包んでいる「お腹周りの筋肉」を体幹といい、インナーマッスル、ローカル筋などと呼ばれることもあります。
内臓の周りにある筋肉を鍛えることが体幹トレーニング。具体的にいうと、このような筋肉を鍛えます。
- 内腹斜筋(ないふくしゃきん)
お腹の横、斜めにあり、外腹斜筋のさらに内側にある筋肉 - 腹横筋(ふくおうきん)
内腹斜筋のさらに奥にあり、お腹の一番奥にある筋肉
- 横隔膜筋(おうかくまくきん)
胸とお腹の間にあり、呼吸に関わる筋肉 - 多裂筋(たれつきん)
背骨に沿って走る、腰から首まで伸びている筋肉
- 骨盤底筋(こつばんていきん)
お腹の臓器を支える筋肉、靭帯
内腹斜筋以外の4つの筋肉をまとめて「インナーユニット」と呼ぶこともあり、正しい姿勢を保ったり呼吸を安定させるために役立つ筋肉です。
表からは見えにくく、普段意識することも少ない筋肉ですが、これらが衰えてくるとお腹がぽっこりでたり、腰痛の原因にもなるのです。
普通に筋トレでも自然と圧力が入りますが、あえて体幹を鍛えるためのエクササイズやトレーニングを取り入れていく必要があります。そうすることによりさまざまな細かい動きにより強くできるからです。
「ドローイン」という言葉は聞いたことがあるでしょうか?みぞおち辺りから下腹部までをへこませて腹圧を高めることです。そのとき呼吸は止めないように注意してください。
解りやすくするために凹ませると表現していますが、正しくは圧を上げるというのが正しいと思います。腰痛を患っている方ならわかると思いますが、コルセットをすると腰は非常に楽になります。ドローインはそのコルセットの役割をするのです。本当はコルセットがドローインの役割を補っているというの正しいでしょう。
ドローインをするうえで注意点をいくつか挙げておきます。
- 呼吸を止めない
- 肩に力を入れない
- 腰を反らさない
- 前屈みにならない
以上に事に注意しながら日常生活に取り入れたり体幹トレーニングのプランクやサイドプランクでも意識をしてやってみて下さい。
身体が硬い
腰椎というのは前屈・後屈・側屈には可動域が非常に優れていますが、実際のところ回転運動にはあまり可動域がありません。
しかし、スイングや急なターンなどで腰を切っているイメージがありますよね?「腰を切る」という言葉があるから正しいイメージが持てないのかもしれませんが、実際には股関節と肋骨などの胸郭部分の柔軟な可動域でスイングなどを行っています。その際腰椎の可動域は5℃くらいで柔らかい人でも10℃ほどだと言われています。
そこで股関節や胸郭などが硬いと身体の勢いに負けて腰に負担が来てしまいます。
病院でも股関節のストレッチの指示はよく出ますが胸郭部分の指示は少ないです。そして全身をまんべんなくストレッチをしたら、硬いところは特に入念にやりましょう。腰痛を持っている方は必ず硬い箇所があります。そういう場所は30秒~1分くらいを毎日3セット程することをお勧めします。
またよくある間違いが腰が痛いからといって腰を捻じるストレッチをする方が多いです。
痛い部分には刺激は来るので聞いている感じはしますが、腰椎分離症の場合はこのようなストレッチは逆効果になりますので注意してくださいね。
股関節・胸郭のストレッチをするときも先ほど紹介した「ドローイン」をすると一石二鳥の効果になるので是非意識してください。
フォームの改善
ゴルフにしても野球にしてもテニスやバドミントンなどにはスイングという動作には回転というイメージがどうしても付きます。
そしてそこでも「腰を回す」「腰を切れ」という表現を使い、選手たちは一生懸命回転しようとします。それを反復するため腰椎分離症に繋がる傾向にあります。
ゴルフにおいても野球においても正しい回転動作は左右の足の体重移動から、体重が移った側で力を受け取ることにより上体で回転運動が自然と産まれます。
野球の打者で例えると、右打者が右足に力を溜め踏み込んだ左足へ体重が乗ります。そこで左足はそのまま流れてしまうのではなく、一旦しっかりと止めることにより胸郭部分が回転し続いて腕やバットが出てきます。
その際も動くのは股関節と胸郭部分で腰椎の部分はどちらかというと固定されている状態です。腹部・腰部は腹圧によりしっかりと固定し下半身の並進運動と胸郭の回転で打つのが好ましい回転運動でスイングになります。
あまり意識しなくてもバットやクラブを握っていたら、下半身で体重移動が始まると止めるのが難しいくらいに回転しようとします。
動かすところと止まるところを理解し理にかなったスイングを身に付ければケガの予防にもなりボールを捉えることに集中できるためアベレージも良くなると思います。
世の中ではマスコットバットのような重いバットは良くないとか、回数が多いのは良くないとか言われますが、全く関係ないとは言い切れませんが重要なのはバットの重さや回数ではなく正しいスイングの形だと思います。
まとめ
腰椎分離症は成長期に多い症状ではありますが全員がなるものではありません。
腰椎が完全に分離してしまったら安静が必要になり長いと1年ほどかかります。そうならないためにも正しい身体の知識を身に付けましょう。
腰椎分離症になる人には特徴的な問題点があり
- 骨格構造の問題
- 体幹の弱さ
- 身体が硬い
- フォーム改善
これらの問題を解決することが腰椎分離症を予防したり早期回復や再発防止になります。そして、ここまで掘り下げて身体を作り直すことによって技術は必ず向上します。まさに「怪我の功名」と呼べるでしょう。
ある日突然腰椎分離症になることはありません。必ずその前に腰が張ったり違和感を覚えたりします。その際骨格のバランスを整えたり、体幹を鍛えなおしたり、硬い身体を柔軟にしたりスイングを見直すことで腰椎分離症は防げると思います。
最後まで読んで下さり有難う御座います。